第一夜-12
「琥珀…」
華月は小さく、噛み締めるようにその名を口にした。
「本当に、ありがとうございました」
「綺麗ななま…」
物思いに耽るような華月には構うことなく、琥珀は言いたいことだけ言ってさっさと走り去ってしまった。
言葉を紡ぎかけていた華月はその場に取り残されてしまい、一瞬ともいえる出来事に呆気にとられるも、苦笑を浮かべて小さく呟いた。
「…人の話は最後まで聞け」
そして、華月は静かに自宅への道のりを歩み出した。
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