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追憶の欠片
【歴史物 官能小説】

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第一夜-11

振り返ったその姿が飛鳥にそっくりで、不覚にも華月は泣き出しそうになってしまう。

「華月…伊岡、華月」

躊躇いがちに名前を口にした華月は眉を寄せ、静かに目を伏せた。

頭は名乗るなと警告を発しているのに、唇が自然と偽名ではなく本名を告げてしまったのはやはり彼のその容姿のせいか。

目の前の少年にどうしようもなく苛立ち、心をかき乱される。

「華月……さん」

一方少年は小さく自分の名を復唱する。その唇が再び開かれ、彼は自分の名前を口にした。

「俺は水無月 琥珀、琥珀といいます」


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