新しいピアス-2
「千明が俺を捨ててから俺、女を信じられなくなったんだけど?」
「捨てたって・・・」
「捨てたんじゃん?」
言い訳をする千明が可笑しくて、何のために言い訳したいのか。
「捨てたんだよ。千明は。俺を」
「・・・・」
「何も言わずにいなくなるって捨てたのと同じ」
「怖かったから」
「怖いって何?自分のことだけ?俺の気持ちはどうでもいいんだ?」
何をどういってももう過去の話。
「俺さ。手当たり次第、女と寝たんだよ。
女なんか同じだって自分に言い聞かせるためにね」
「・・・・・」
「同じだったよ。女なんて。みんな俺の見てくれしか見てない」
「・・・・・」
「千明と一緒」
「ちがっ・・」
「違わないだろ?千明も日本の高校時代の思い出に
アクセサリーとして俺が欲しかっただけだろ?」
「ちがぅっ」
「千明。何をどう言っても3年前の事実は変えられない。
俺さ。やっと好きな子ができたんだよ」
さっき千明を引き剥がすときに見つけた
電柱に隠れてる加奈。
「このピアスは俺自身の牽制。
女の本性を忘れるな。ってね」
「潤・・・」