〈囚獣・銭森麻里子〉-2
『へへぇ…飯も食ったしシャワーも浴びたし、“生きてる”って良いだろ?』
『お日様の下でマワされるなんて、最高の気分だろ?ウヒャヒャヒャ!!』
全身ずぶ濡れの全裸の文乃が、美津紀の目の前で枷を付けられ、大きな木に吊り下げられていた。
外出すら出来ない美津紀は知らなかったが、この木にぶら下げられるのは、もう何時もの事。
まるで獣のような叫び声を上げながら、文乃の丸出しの股間に男達は群がっていった。
「う…あぁぁッ!!あ〜〜〜〜ッ!!」
「!!!!」
美津紀の頭の中に、あの日の惨劇が一気に再生され、自分達の“今”の状況の異常さに今更に気付かされた……ドレスを着て素直に抱かれている自分は自分じゃない……停止していた思考は急激に回り、顔には失せていた表情が戻った……自立した一人の女性としての感情を、美津紀は取り戻したのだ。
「嫌あぁぁッ!!!文乃さぁあんん!!!」
『!!!』
美津紀はめちゃくちゃに暴れてサロトの腕から離れ、輪姦されていく文乃の元に駆け寄ろうとした。
『どうしたのじゃ?美津紀、落ち着かんか!』
「やめてぇ!!もうやめて下さいぃぃ!!」
サロトはリードを引いて美津紀の足を止めさせると、力任せにあの部屋まで連れて帰ろうとした。
しかし、我を忘れたかのような美津紀の抗いは強く、サロトでも容易ではなかった。
『き、貴様らなにをボーっとしとるんじゃ!ワシの花嫁を部屋まで連れ帰るんじゃ!!』
部下達は文乃から離れ、美津紀を抱え上げて扉を開けた。
そしてサロトの指示のままに部屋を目指し、美津紀をベッドの上に下ろした。
『この馬鹿もの!ワシの花嫁が怯えてしまったではないか!!……おお、よしよし。もう恐い物は無いぞぉ』
「文乃さんが……離して、嫌あぁぁ!!!」
サロトは美津紀に伸し掛かって抱き着き、ドレスの胸元を剥いて胸肉を曝け出させ、少しだけ色の濃くなってしまった乳首に吸い付いた。
『いつまで居るか!あの女を適当な部屋にブチ込んでおけ!……可哀相になあ、ワシが居るから大丈夫だぞ?』
サロトは部下達を怒鳴って追い出し、泣きわめいて狂ったように抵抗する美津紀を貪った。
暴れ回る脚の間に巧みに身体を滑り込ませ、その太股を両脇に抱え込む。
突然、息を吹き返した必死の“意思”は、やはり無駄なのだと思い知らされながら早くも潰えた。