JCとおじさん-11
とある、ハンバーガーチェーン店。
放課後の時間を持て余したセーラー服姿の2人の少女が、携帯電話を片手に嬌声を上げていた。
「キャハハハ。亜美サイコー。チョーうけるんだけどー」
「今ごろ、このオッサン、ハァハァ言ってるのかなー?」
「きゃぁー、キモー!」
「こんなキモイオッサンなんかと会うわけないないよねー」
「ホント、バカだよねー。あっ、リョータ先輩からメールだー」
「何だってー?」
「部活終わったからカラオケ行かないだってー。亜美どうする?」
「行く、行くー!」
「じゃ、行こうか」
「うん!」
ローファーの踵を鳴らしながら、少女達は店を後にする。
おじさんの存在など2人の頭の中から完全に消去されていた。
「ねえ、亜美ー、アレ持ってきた?」
「うん。持って来たよー。ミキはー?」
「モチ、持って来たよ」
2人は、鞄からタバコの箱と同じぐらいの小さな箱をこっそりと取り出し、互いに見せ合った。
目配せをする少女達。
「早く行こー」
「うんっ!」
【完】