あいつ-1
独りぼっちなんだ。
いつも私は。
虐められるのは慣れてるけど、最近は虐め方がエスカレートしてきて。
だから慣れてると言ってもやっぱり苦しい。
無視するのはまだいいけど、閉じ込めたりはしないでほしい。ロッカーとかトイレの個室とか。
だってあいつが必ず出るから。
体育倉庫に閉じ込められて鍵までかけられた。中は真っ暗なのにあいつはやっぱり出てきた。
夜になっても鍵を開けてくれる人は居ない。騒いだのに誰も来ない。
あいつは私のそばで笑ってる。ニヤニヤしてる。気持ち悪い。
お腹が空いた。
あいつは私におにぎりを寄越した。タベロと言われた。
中身は何も入ってなかった。
あいつはオカエシヲクレと求めてきた。私はポケットを漁るが何も無いので、無いと言った。
ソウイウノハイラナイと言われた。よくイミがワカラナカった。
スコシモラッタって言わレタ。確かニ何かヲ貰われたキガスるけど、やっパりよくワカラなかっタ。
今は何ジだろウ?倉庫のマドには格子がカカッテいるからデラれナイけど、外にはホシが見えル。
喉ガ乾いタ。
あいつはコップに入ッた水をドコからか出しテきた。
飲ム。
オカエシヲクレとまた言わレタ。ワタシは好きニすればイイと言う。
ナンカオカシイケドナニガオカシイカワカラナイ
アイツハニヤニヤシテバイバイシタ
ムカツク
ワタシヲコンナニシテ
ダレカトジコメラレナイカナ?
ハヤク
コナイカナ
了