生きる術-18
〈凄い〉
「だよな〜呪文無しで自分の魔力を軽々操るんだからな〜さすが、ゼビア最強魔導師だ」
みるみる小さくなる影を見送ったケイは、窓を閉めた。
「さ、ご飯だご飯だ」
ケイは両手を頭の後ろで組んで部屋を出ていく。
ポロは姫様と魔導師が消えた空を眺めていた。
〈……私……〉
魔導師はポロが封じられていると言った……姫様はポロがダブって見えると言った。
〈……人間じゃ…無いの……?〉
足元が崩れるような恐怖と泣きたくなるような不安が襲いかかる。
〈……でも…やっぱり……〉
ーイキタイ
自分が何者であっても……行きたい……生きたい……。
ポロは、この気持ちが悪じゃない事を願わずにはいられなかった。