生きる術-12
〈いい…です……気にしない…事にします〉
「でもさぁ」
良く知りもしない他人に思考を読まれるのは嫌だろう?
〈ケイさんなら……構いません〉
ポロは真面目な顔で答え、今度はケイが顔を赤くした。
「あ、明日にでもエンに相談する…から」
〈はい……お願いします〉
ポロは少し頭を下げて、畳んだ洗濯物を重ねるとそれぞれの部屋へと運びに行く。
ケイにはポロの気持ちが伝わった……建前じゃなく本心で「ケイなら構わない」と言ってくれていた。
信頼されてるのか、気にもならない存在なのか、そこは分からないが……「ケイなら」の言葉はやはり嬉しくて、ケイの顔はだらしなくデレるのだった。
それから夕食を取って片づけをしている時間帯に、王子と姫の双子が無事産まれたとクインから連絡が入り、産後のステラを気遣うように街中が静かにお祝いムードになった。
そんな暖かいお祝いムードの街とは裏腹に、火山には生温い雰囲気が漂っている。
「あ〜…くそ……何で男相手にこんな事……」
大分、樹液が抜けて動けるようになったスランは……ゼインを後ろから貫いていた。
頭じゃ全力で拒否しているのに、身体が治まらない。
「文句…っ言うな……さっさと腰振れ下手くそ」
こっちだって好きでケツを差し出しているワケじゃないのにイチイチ文句を言われればいい加減、腹も立つ。
しかも、スランは完全にゼインをオナニーの道具としか見ていない。
スランにそのケは無いし、過去に男性経験があるワケでも無い……気持ちは分かるが善意で身体を貸してるのに、自分だけ気持ち良くなりやがって、とゼインは苛つきながら自分の肉棒を扱いていた。
こういう行為をしていて勃たない程、不健康じゃない。
しかし、スランがゼインを愛撫してくれる筈が無いのだ。
だったら自分で扱いて吐き出すしかない。
ムードも愛情も気遣いも何もないただの性欲処理……2人は早く終わってくれ、と願いながらひたすら動いていた。
「ふっ…くっ……」
「うくっぁっ」
スランの動きが早まり、ゼインの良い所を突きだす。
何回目かなんてお互い覚えていないが、さすがに何処を突けばゼインが締まるかは覚えたようだ。
「あっぐ……うっ」
「っくぅっ」
ズンッと奥まで貫いかれ熱いモノが注がれる。
同時にゼインも精液を吐き出して身体を震わせた。
未だに勢いも量も衰えていないスランの精液……まだ抜けきって無いかなぁ……と霞んだ頭の隅で考え、ゼインはぐったりする。
「は……ハァ……」
スランは肉棒を引き抜いてゼインの横に倒れ込んだ。
ゼインの中から白濁した液体が逆流し、ゴポッと音をたてて流れ出る。