くじびきは運命を変える。-2
私は、箱の隅の方にあった、小さくおりたたまれたくじをとった。
19番。
窓側の席だった。
「席移動しろー」
先生の言葉と共に、皆机を引きずって移動しはじめる。
私はもとから窓側に近かったので、移動がはやく済んだ。
「ふぁぁー……」
机にうつぶせて、目をつむる。
窓からさしてくる日差しが暖かい。
空は青く澄んでいて、とても綺麗だった。
「……夏目、夏目!」「んぁ?」
ヤバい、眠っていたらしい。
私の顔を、鷲見くんが楽しそうに見ている。
…………鷲見くん?
「これからヨロシクな、夏目」
「は?」
言ってる意味がわからず、鷲見君を通りこした向こうを見る。
「………もしかして」
自分を見つめる、女子達の嫉妬の視線。
結構席がとおくなってしまった、侑生の羨ましそうな顔。
私は、全てを悟った。
「……もしや鷲見君、私の隣の席………?」
ただの席替え。
所詮席替え。
運次第。
私はそう思っていた。
「そうだよ?何言ってんの。……なんか夏目って面白いな」
「アリガトウゴザイマス……」
まさかくじ引きで、
まさか席替えで、
私の学園生活が大きく変わる事になろうとは、予想もしていなかった。
とりあえず、それは
また別のお話………