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夕焼けの窓辺
【その他 官能小説】

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第6話-10

気を抜けば、すぐに果ててしまいそうだが、もっと英里と繋がっていたい。
込み上げる衝動を必死に堪えながら、圭輔は英里が行為に再び没頭しだせば声を出しても構わないと半ば思っていたので、遠慮せずに彼女の中を貪る。
膣壁を捏ね回すかのように、腰を回しながら動かすと、彼の指に柔らかにまとわりつく彼女の舌がびくりと反応し、指を強く吸い上げられる。
温かい上下の粘膜に同時に包まれている不思議な感覚が、ますます彼の興奮を過熱させる。
口から息をするのがままならないためか、ぴくぴくと彼女の小鼻が動くさまが可愛らしい。
それに、唇の締め付け具合で、彼女の感じている度合いが測れるのが面白い。
瞳を潤ませて、縋るように自分の指を咥えるその顔を見ると、情欲がそそられ、ますます彼女の中の己自身が熱く脈打つような気がした。
しかし、そんな彼女の新鮮な反応を冷静に観察するのが、そろそろ辛くなり始めた。
互いに限界が近付いているようだった。
「英里、そろそろ…イきそう」
圭輔は、押し寄せる衝動に耐えるかのように、顔を歪ませながら、喘ぎ声交じりにそう告げた。
その言葉を皮切りに、抽送の間隔を狭めて、一層激しく腰を打ち付ける。
「…っ!」
瞬間、英里の体が大きく震えるが、辛うじて声を発するのを抑えた。
ぎゅうっと、ベッドのシーツを強く握り締める。
すっかり、快楽の虜になった英里の蕩けそうな瞳が、圭輔を見つめる。
その瞳に魅せられ、圭輔は自分の欲望に一気に込み上げるものを感じた。
ほぼ同時に、高みに昇り詰める。
「っっっ…!!!」
英里は迫り来る激烈な感覚に眉を顰めて、ぎゅっと目を瞑る。
陰核での絶頂時のように一過性のものではない、体の奥底から込み上げて一気に高みに昇り詰めるような深い絶頂感。
その時、あまりにも力みすぎて、彼の指を噛んでしまった。
一瞬、圭輔は指に鋭い痛みを感じながらも、下半身の焼け付くような熱い迸りにほとんど意識を奪われていた。
その痛みすらも、刹那的に快楽かと思わせる程、全身が敏感になっているかのようだ。
彼の下の英里は、長い絶頂感がようやく収まると、張り詰めていた体中の力が抜けて、くったりとベッドに沈みこむ。
圭輔はゆっくりと彼女の口から指を取り出すと、溜まっていた唾液が口の端から零れる。
吸い寄せられるように、淫らな彼女の唇に口付け、
(…よくできました)
放心状態の彼女に告げても、きっとまだ彼の言葉を認識しないと思い、頭の中の声だけで英里をねぎらう。
そして、圭輔も自身の体を支えていた腕の力を抜いて、軽く英里の体の上に覆い被さると、そっと優しく抱き締めた。
温かく汗ばんだ体が密着し、直に伝わる彼女の鼓動がこの上なく心地良い。


一瞬、気が遠くなるかのように目の前が白くなった。
それ位、強い絶頂を感じ、英里はようやく意識を取り戻し始める。
結局、最後まで声を出すのは我慢したが…
「…すっげぇ歯形」
そう言いながら苦笑いを浮かべた圭輔の顔を目にして、たちまち現実に引き戻される。
しばらくの間彼女の口に咥え続けられてふやけた指先に、赤くくっきりと歯型が残っており、それとは対照的に英里の顔はみるみる青褪めてゆく。
「ごっ、ごめんなさい!痛い、ですよね…」
英里はまだ快楽の余韻に浸っている体を無理矢理起こし、指先に触れると心配そうに圭輔の顔を見つめる。
「…じゃあ、舐めてくれる?」
圭輔は悪戯っぽくそう言うと、英里はすぐさま言う通りに、彼の指先に顔を寄せて舌を這わせた。
目を伏せて、長い英里の睫毛が弱々しくふるふると揺れる。
舌先で優しく指を舐める、献身的にも見えるその姿に、圭輔は目が離せなくなる。
その様子を眺めていると、ようやくほんの戯れだった事を思い出し、英里の頭を撫でる。
「冗談だって、痛くないよ。俺がやろうって言い出した事だし、それより…」
それに、この痛みすらも愛しく感じてしまうのだから。
「苦しくなかったか…?」
「平気です…」
英里は口を離すと、照れ隠しに、俯き加減でそう答えた。
自分の声が出せない分、圭輔の感じている声がよく聞こえて、いつもより何だか興奮してしまったなどとは正直に言えない。
「…俺は、やっぱ英里の声聞けないと物足りないなぁ」
「え…?」
英里は少し不安気に顔を歪めたまま、圭輔を見つめる。まだ、彼の指の事を気に掛けているようだ。
ベッドの端に腰掛けた圭輔は、英里を抱き寄せると、自分のまだ堅くそそり立ったモノに軽く触れさせる。
「っ…!」
手の平で感じる熱く脈打つ肉棒の感触に、思わず彼女は息を呑んだ。
今まであまり彼のモノにしっかり触れたり、目にしたりした事がなかったので、ぬらぬらと彼女自身の愛液で淫らに濡れ光っているそれから、つい目が離せなくなった。
「もっと、触ってみたい?」
興味津々の様子で自身を見つめている彼女に、圭輔はそう言うと、英里は我に返ったようにぱっと手を放し、大きく首を左右に振った。
そんな彼女の反応に、彼は触れて欲しいと心のどこかで感じながらも強要はしなかった。
圭輔は苦笑いを浮かべて、英里の腰に軽く手を添える。自分の体に跨らせると、乱れた彼女の髪に触れた。
あまり自分が上になる体位が好きではない英里は、躊躇いながらも腰を浮かし、まだしとどに濡れている花園に宛がう。
入り口に先端が少し入り込んだのを確認すると、一気に腰を落とした。
柔らかい粘膜は、何の抵抗もなく、ずぶずぶとそれを受け入れた。
この体位だと、自分の腰が勝手に彼を求めて貪欲に動いてしまい、それが何だかはしたなく感じるのだった。
抱き合ったままで繋がった状態。圭輔の顔が、間近にある。
熱を帯びた瞳が、英里の顔を見つめる。


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