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ツンデレ。
【女性向け 官能小説】

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ツンデレ。-5

秘部を褒めてもらいたいわけでもない。
その先を望んでいるわけでもない。
でも。なにかが。
なにかが悲しい。
もっと違う感情が見たかった。
そんなもやもやした思いがアキを支配していた。
もうすぐ5分という頃、煙草も吸い終わり、アラタは切開の準備に入った。
アキのしこりに局所麻酔を打ち、ほんの少しだけ切開し、ゆっくりと中身を絞っていく。
アキは麻酔の際に顔をしかめたものの、座薬のおかげで僅かな痛みだけで済んだ。更にその後の処置は自分でも驚くほど痛みのないものだった。絞られた場所が次第に楽になっていくのがわかる。2分も経っただろうか、という僅かな時間で、アキのしこりは消えたのだった。
「ん。終わり」
アラタの処置は終わり、あとは消毒だけだった。
「この傷に米粒くらいのガーゼを詰めることになる。明日また交換するといい」
そう言うと、小さなガーゼをピンセットで摘み、アキの切開部に詰めていく。

その時。

ぴくっ

アキの身体が跳ねた。
「バカ。揺れんじゃねえ」
「あ、す、すいませ…」

なにかが、当たっている。
アキの秘部、しかも一番敏感なその突起に、なにかが当たっている。
それは間違いなくアラタの手だった。
ガーゼを詰める際にきゅっきゅっと小さく手が動く。
その手が、こともあろうにアキの部分を擦っていた。

え…
やだ、ダメだっ…これはほんと…

身体の奥がじんじんと疼くのがわかる。
ガーゼを詰め終えてもなお、上から消毒をとんとん、と落としていく。
また、当たっている。
「……っ!」
悟られないよう声を押し殺してはいるが、全く焦点が定まらない。
「なんだ、痛えのか」
アラタが顔を覗き込む。

均整のとれた顔立ちに、全て見透かされてしまいそうな目、太く響く声――――
この人にあたし、あんなところを触られて――――

思わず見とれてしまったことに気づき、慌てて取り繕う。
「あ、いえっ!だ、大丈夫です、すみません」
気づけばガーゼ処置も終わっていた。
恥ずかしい格好だという現実を思い出し、立ち上がろうとした、が。


「…おい」


立つな、と言っているように聞こえた。


思わず、起こしかけた身体をまた横にさせるほど制止力のある声。
ネクタイを完全に取り払い、ボタンを二つほど乱暴に開けるアラタ。
ぎしっとソファーが軋む。
膝立ちになり、両手をアキの顔を挟むように突いた。
初めて見るはだけた首からは、今まで知りえなかったチェーンネックレスがシャラ、と音を出して垂れ下がった。

男に、なってる。

アキの女の直感が敏感に察知した。
5秒だろうか、10秒だろうか―――
見つめあったまま動けないアキにとってはとても長い時間。
その時、ゆっくりとアラタが口を開いた。


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