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名門女子剣道部・愛花
【同性愛♀ 官能小説】

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媚肉の宴-4

「お願い、少し…考えさせて…。そんなこと言われても、とても今すぐ『いいよ』なんて言えないよ…」

 愛花には、それだけ言うのがやっとだった。

「わかっているわ。でも、考えておいて欲しいの。あんなことがあったんだもの。2人で新しい生活を始めたいのよ。それだけはわかって…」

 志津もそれ以上無理強いはしなかった。
 気まずい沈黙が流れ、2人の会話はそこで終了となった。

 その晩。
 愛花はベッドの中でずっと眠れずにいた。
 ようやく心を決めると携帯を取り出し、薫の携帯の短縮番号を押した。
 プルルルル…。

「もしもし…薫さん?」
(どうしたの愛花ちゃん、こんな夜中に。何かあったの?)
「実は…」

 愛花は今日の出来事をかいつまんで話した。
 薫は黙って静かに聞いていたが、だんだん声は沈み、表情が曇っているとわかる。

(事態は急を要するわね…。早く満鎮祭をやらなきゃ。そうだ、私のパートナーの美佳にも頼んでみるわ!)
「パートナー…?」
(…ふふっ。野暮なこと聞かないの。私たちにまかせておきなさい。でも志津さんを男の魔の手から救うにはあなたや船橋さんの協力も不可欠よ。まず私の話をよく聞いてね…)
「はい…」

 2人の会話は3時間近くにわたった。

4.
 夕食後のくつろいだひととき。
 志津はソファに座ってファッション雑誌をめくっている。
 キッチンで皿を洗い終えた愛花は、深呼吸をしてから何気なく切り出した。

「ねぇママ…。検見川美佳(けみがわ・みか)って知ってる?」
「え…っ? それ誰?」
「最近有名なカメラマンよ。ママが今読んでいる本の表紙もその人が撮ってるの! 実はね、美貴お姉様のところに取材申し込みが来て、今度スタジオでお姉様を撮影したいんだって!」
「そう! それって素敵じゃない! 船橋さん背が高くて綺麗だもの、ファッションモデルになれるかもしれないわね」

 雑誌をめくる手を止めた志津はにっこりと微笑んだ。

「でもお姉様は1人じゃ恥ずかしいから、私やつかさも一緒ならいいって答えたの…」
「愛花、じゃああなたも…」
「そうなの。ママ、行ってもいいでしょう?」
「ええ、いいわよ。綺麗な写真を一杯撮ってもらいなさい」
「それでね…写真を撮られるなんて初めてだし…ちょっと不安なの…。ママも一緒についてきてくれる?」
「わかったわ。付き添いで一緒に行ってあげる」
「嬉しい! ママ、約束よ!!」

 愛花はエプロンを外すと志津に抱きついた。
 久しぶりに胸に甘えてみる。ふわっとした感触といい匂いが広がった。

(これからママを騙して淫らな罠にかけるのだ…)

 そう思うと胸がドキドキした。
 これから起きることを想像するとふんどしの奥がじゅん、と熱くなる。
 あの日の夜、薫が言った言葉が頭の中をよぎった。

(こんな綺麗なママの子宮の中に淫らな怪物が住んでいるのかしら…?)

 愛花は自分も含めた『女』という生き物の不思議さ、子宮の奥に潜む闇の奥深さを感じていた。

 ************************

 数日後、愛花は志津と共に東京へと向かった。
 約束の時間は午前10時。
 検見川美佳の撮影スタジオは成城学園にある。駅を出てメールで送ってもらった地図を見ながら歩くと、すぐに見つかった。
 スタジオは打ちっぱなしのコンクリートの壁に緑の蔦が幾重にもからまる外観が印象的だ。

 ピンポーン。

「はーい!」

 玄関のベルを鳴らすと彼女はすぐに現れた。
 カメラマン・検見川美佳は長身でがっちりとした体型の女性だった。肩にかかったセミロングの髪、ひらひらの赤いドレス。
 面長の骨っぽい顔に太い眉。お世辞にも美人とは言い難い。
 しかしその輝くような表情から業界の第一線で働くアーティストとしての自信が満ち溢れていた。

「はじめまして、検見川美佳と申します」
「笠倉です」

 美佳は志津に手を差し出して握手を求めた。
 女性に似合わぬ力強い大きな手だ。そして熱い。
 一瞬、全身を舐めるような視線を感じた志津は、彼女もまたレズビアンだと確信した。

「急にお邪魔してごめんなさい…。娘がお世話になります」
「いいんですよ。大事な娘さんをお預かりするんですもの。保護者の方がいてくれないとこちらも心配ですから。さぁ奥にどうぞ」

 案内されたスタジオは中が大きな洋間になっていて、照明機材やレフ板が置かれている。
 しかし、その内装は異様なものだった。
 壁紙、テーブル、マットレスやベッドに至るまで全て真っ赤だ。

 見わたす限り、赤、赤、赤…。様々なレッドの洪水。

 2人は鮮烈な色彩に一瞬、目を奪われる。
 その中で美貴・つかさ・八千代・春香の4人がきゃあきゃあと戯れていた。

「笠倉さん。いらっしゃい!」
「愛花〜っ! 遅いよ〜」
「待ちかねたわよ、愛花」
「コーチ! お待ちしていました!」

 美貴たちがはしゃぎながら駆け寄ってきた。
 そのスタイルもまた強烈だった。
 皆、ランジェリー姿だ。赤と黒のレースに彩られた可愛らしいブラとパンツ。
 さらに頭にはネコ耳のカチューシャ。ふわふわの尻尾までついている。
 ごく可愛らしいポートレイトか竹刀を持った道着姿を想像していた志津もいささか驚いた。

(凄い綺麗…! でもちょっとHかな…おっぱいやアソコが透けてるし…)

 愛花は美貴のセクシーな姿にうっとりしてしまう。
 そこに美佳が声をかけた。

「愛花ちゃん。奥の部屋に同じ衣装が用意してあるから、早く着替えてね。そしたら私が綺麗にメイクしてあげる」
「は、はい…」

 愛花は美佳に手を引かれて少し顔を赤らめながら控室へと入っていった。


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