第3話 陵辱の始まり(前編)-3
いったい、何事だろうと不審に思いながらも、紗希は、さっさと用件を済ませてしまいたいと思い、言われるままに、封筒の中身を取り出した。
それを見た瞬間、紗希の表情が凍りついた。
「こ、これ……」
それは、紗希の写真だった。
しかし、そこに写っている紗希は普通の姿ではなかった。
リビングのソファに座っている紗希。ワンピースの裾が捲れ、太ももが露わになっている。
ソファの上で両足を広げ、バイブでパンティを擦っている紗希。
パンティを膝に絡めたまま、露わになった股間にバイブを挿入している姿まで撮られていた。
遠目ながらも、それらは鮮明に紗希を捉えていた。
それもそのはずだ。
どの写真も、本来閉ざされているべきカーテンが開け放たれているのだから。
まるで、見てくれと言わんばかりの、恥ずかしい新妻の姿だった。
最後の一枚は、紗希の顔をアップで捉えていた。
目を閉じ、眉間に皺を寄せ、指の関節を噛み締めていた。
見知らぬ男に犯されることを想像している時の顔なのだろうか。
そんなことを思った瞬間、紗希は全身がカッと熱くなるのを感じた。
「これぇ、奥さんですよねぇ〜」
粘りつくような声に顔を上げると、蛇沼が爬虫類のような顔を厭らしく歪ませていた。
紗希の背筋に悪寒がゾッと走る。
写真の角度から、この男が盗撮したに違いない。きっと、男の自宅の2階の窓から。
男の卑劣さを非難しようとするも、紗希はすっかり動揺してしまい、言葉がうまく出てこない。
「ち、違います。これは、私ではありません……」
そう言い返すのが精一杯だった。