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三叉路 〜three roads〜
【学園物 恋愛小説】

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ざわめき-2

なぜか土橋くんの恋愛話はあまり聞きたくなかった。


土橋くん達とはいろんな話をするようになったけど、土橋くんが今までどんな女の子と付き合ってきたのかとか(もちろん郁美のことは知っていたけど)、どんな女の子がタイプとか、そんな話題になるとソワソワ落ち着かなくなった。


救いだったのは、彼が自分からそういうこと話すタイプじゃなかったので、沙織や大山くんが聞いても上手くはぐらかしていたこと。


そしてそのたびに私は内心胸をなで下ろしていた。


なぜホッとしていたのかは自分でもわからない。


知りたい気持ちはあるくせに、知るのが怖かった。


「あー、じゃあ修と石澤さんが付き合えば2対2でちょうどいいじゃん!」


大山くんは、さも自分がいい考えを思いついたと言わんばかりに得意気な顔をして、突然妙なことを言い放った。


「バッカじゃないの!? 付き合うわけないじゃん!」


私は真っ赤になって大山くんを睨みつける。


全く、何を言い出すんだ、コイツは!


私はすっかり大山くんにも悪態を吐けるようになり、彼もまた私のことを冷やかしたりするようになった。


「えー……? 最近二人すげー仲いいじゃん。いつも楽しそうに話してるし、顔合わせばじゃれ合ってるし」


「うん、あたしも修と桃子がこんなに仲良くなると思わなかったよ」


沙織も、私と土橋くんの顔を交互に見ながら頷いている。


「仲いいとかじゃなくて、コイツは私をからかって楽しんでるの!」


私がギャーギャー騒ぎ立てているのを尻目に大山くんは、


「おい、修はどうなんだよ。お前ら付き合っちゃえば?」


と、にやけた顔で土橋くんを見た。


「ちょっと、大山くん! 私達はただの友達なんだから、変なこと言わないでよ!」


私は大山くんにわめき立てるようにして、その話題をやめさせようとした。


ホント、勘弁して!!


彼の答えはわかっていても、はっきりと否定されるのが怖かったから。




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