ため息1つ-5
「加奈ちゃん、たまにでいいからランチ付き合ってよ」
気がつけばそう口走っていた。
コロコロ変わる加奈ちゃんが可愛くて
また時間を共有したいと思った。
「山崎くんには振られちゃいましたし。
いいですよ。吉岡先輩がイイ女にちょっと飽きて
普通の地味子とランチがしたくなったら
声をかけてください」
一瞬ショボーンとしたが次の瞬間には
自分を元気づけるかのように
から元気な声を出した。
俺はからかわれているのか
本気で言われているのかわからなかったけど
苦笑いをして
その日はそのあとすぐに加奈ちゃんと別れた。
「あ。山崎?お前もう1万返してくれなくていいわ」
「ん?加奈そんなに良かった?」
馬鹿なこと言ってんじゃねーよ・・・
「返さない代わりに加奈ちゃんに金輪際関わるな」
「なに?よっぽど気に入ったの?」
「女を共有する趣味はねーからな」
加奈ちゃんへの接触をさせないために
勘違いしている山崎の誤解は解かないままにした。
「へ・・・ぇ。いいよ」
「守れよ?」
「吉岡こそ、後で金返せとか言うなよ?」
ちっせぇ男・・・
俺はそのまま電話を切った。