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「be eaten」
【獣姦 官能小説】

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「be eaten」-1

深夜、私はナイフを握る。

背徳と退廃の時間のスタートだ。


「be eaten」


私の名前は清美。23才。

「名は体を表す」というのが本当だとしたら、きっと私は例外に分類されるんだろう。
清い、なんて何年も前に置き忘れてきた言葉だ。


火であぶったナイフをバターに突き立てる。
抵抗なく刃を受け入れたバターはとろとろと切断面から融解を始めた。

同時に私の内部もゆっくりと雫を零し始める。
とろとろと、あたかも溶けていくように。


大きめに切り取ったバターをカップに入れ、電子レンジを回し始めた。
クルリと後ろを振り向いた先にいるのは、愛しの愛犬キッシュ。
クロスブリードの中型犬。雄で、うちに来てからもう二年の月日が経つ。
私が一人暮らしで重ねた年と同じ。
ハッハッ、と荒い息をはいて足元にちょこんとお座りしている。

チン、と電子レンジが仕事終わりの合図を出した。

「おいで、キッシュ」

取り出したカップを持ち、部屋へと向かう。
愛犬はいそいそと主人の後を追った。

もう、宴への準備は整っている。



  * * *



電気も点けず、カーテンも閉めきった暗い部屋。

ばさり、と私は体を包む衣服を投げ出した。
ガウン、シャツ、ベルト、ジーンズ、タンクトップ……
もう、身につけているのは黒で揃いのブラとパンティーだけ。

サーー、と片手で重いカーテンを開いていく。

一瞬のうちに差し込んできたのは月の光。
上弦の月は遥か過ぎたが、満月には到らない中途半端な月。
でも、光の量は十分で部屋の中にはっきりと影がのびた。

ちらりと横に置かれた全身鏡を見やる。

白い肢体。
その美しさに、にこりと笑みを浮かべてやった。
「名は体を表す」ならば、「美」という後半部分はあっているかもしれない。


ブラを取り外す。
窮屈に押し込まれていた胸は、月光の下にプルリと揺れた。
解放感。

ここは三階だが、こんなに窓に寄っているのだから誰かが見ている可能性はあった。
でも、構わない。
見たいなら、見せ付けてやれ。


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