第三章 美容の素-2
武志のふところの中で沙智子が動いた。
沙智子の手には、さっき武志がソコに当てたティッシュが…
「濃厚な匂い…ひさしぶりだわ」
「さぁ、シャワーをあびよう」
「まだしばらくこのままで居たい」
「だけど…」
「だいじょうぶ! 心配ないのよ」
「そう言うことではなくて…」
「いいの。誰のでも、入ったモノはわたしのものなの」
「そうかもしれないが…」
「美容の素だから大切にしないと…」
「………」
「武志さん、あとでもういちど…」
「時間は大丈夫なの?」
「だいじょうぶ。きょうはたっぷり時間が…」
* * * * *
武志の顔がいちも簡単に沙智子のソコに張り付いた。
それを拒まず、むしろ両脚をひろげて迎え入れたからだ。
沙智子の最初のピークは、この前よりも早めに突然やってきた。
「あっ、あっ、あっ…あ、イク…あ、イク…イク…」
もう潮時…とからだを起こした武志の手が枕元に伸びる。
分身をきっちりソコに収めると、沙智子に重なって抱え込んだ。
武志の腰がぐぐ〜っとしゃくり上がった。
耳元に褒め言葉を吹き込まれて沙智子はもだえる。
「ねぇ…もっと動いてぇ」」
「あ…沙智子さんのアソコが動いた!」
「ほんと? そんなに?」
「ほんと、こんなオ○○○ははじめてだ」
「……ねぇ、それよりも…」
「ん? どうするの?」
「もっとうごいてぇ」
「でも、動いたらイッテしまいそう」
ふたつのからだが離れた。
もっとも腰はぴったり密着したまま、離れたのは上半身だけだ。
瞼が閉じられた沙智子の顔に武志の視線が突き刺さる。
これから攻めようとするとき、相手の変わり様を耳と目でしっかり
確かめたいのは男の本能なのだ。
武志の腰が目いっぱい後退した。
ゆっくり前進した腰が、行き着いた所でぐいっとしゃくり上がった。
「あうぅっ!」
「いいの?」
「………」
目を閉じたままの沙智子から言葉はない。
同じ動き、軽いうめき、問いかけが何度かくり返され、ついに…
「あうぅっ!」
「いいの?」
「ああぁっ…いい…いいのよぉ〜っ」
このあえぎ声のあと、沙智子が一気に燃え上がった。
「あっ、あっ、イクぅっ、イク、イク、イクぅ〜っ、ねぇ…」
「………」
「一緒にいこう! 一緒にいこう! あぁ〜あぁ〜あぁ〜イクぅ…」
「………」
「ねぇ…あぁ〜あぁ〜あぁ〜ねぇ、きて、きて、きて〜っ…」
「………」
「もうイク〜、ねぇ、きて〜っ、ああぁ〜っ!」
「………」
「ねぇ、キテ!キテ!キテ〜っ…」
胸元を大きく上下させ、武志の両腕を手繰ってしがみついた。
それに引き寄せられて二つのからだが密着した。
そのあと、沙智子を抱え込んだまま、武志の腰がはげしく動いた。
* * * * *
「武志さん、今日はわたしに支払わせて」
「そんなお気遣いは御無用に…」
自動会計機の前で沙智子が差し出したお札を武志が押し返した。
「だって、もともとわたしがお誘いしたことだから」
「僕は男だから…」
「だからどうだと言われるの?」
「さつまの…」
なにか言いかけた武志の顔を見つめた沙智子の顔に笑みが…
「平忠度になりたくないとおっしゃりたいのね」
「あ、沙智子さんは鋭いですね」
「お顔にそう書いてありますわ」
「これ、男の美学…というよりミエかもしれませんが…」
「でも、いい気持ちにさせてもらってるのはわたしなのに…」
「それを言うなら、僕の方こそ…」
「え? どうしてなの?」
「こんな素敵な方を好きにさせてもらってるんだから」
「むぐぐぐ……」
なにかを言いかけたが、有無を言わせず抱きしめられ、唇をふさ
がれてしまった沙智子だ。