姉弟ゲンカ-7
「意地悪しないでぇ……雅のばか。お姉ちゃんの事、困らせないでね」
「うっ……わ、分かったよ。そんな目で見るなっつうの」
今まで出した事のない様な切ない声でこちらに訴えてくるまりな。喧嘩して泣かれると決まって俺は負ける。
ずるいよな、こうすれば弟が逆らえなくなるのを知ってるんだから。
でも、まりなは今まで1回もウソ泣きだけはした事がない。
「……泣いてないよ、雅」
「そっか。分かってるさ」
涙目なのは流してやるのが弟としての優しさかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
「嬉しいんだ。あんなにちっちゃかった雅も、すっかり大人になったんだねって」
「どこの事を言ってるんだよ」
「んー、色々。カラダも中身も、かな」
はぐらかしているが、俺の下半身についての発言なのは伝わってきた。
身内に褒められるというのはなんだかむず痒い気分だ。
「……んぅっ、はぁ。んうぅ、はぁ、はぁ……」
まりなのそこは決して怯まず、どこまでも俺のを飲み込もうとしてきた。
血縁同士は相性がいいなんて話を何処かで聞いた事があるが、まさか身を持ってそれを味わう羽目になるなんて思わなかった。
「雅……遠慮しないで。もっと……強く……」
まりなは絡めていた指を外し、俺の背中に回してきた。
華奢ですぐにでも外れてしまいそうなくらい細かったが、激しく腰で突き上げ続けても、背中に爪痕を残し続けていた。
「んぅっ、んふぅ、んぁ、あっ、あっ、んぁぁっ」
食らい付く唇の隙間からまりなの切ない喘ぎが漏れる。もう、ここにいるのはただの口うるさくなかなか小遣いを出さない姉ではない。
快感に溺れる、ひとりの女そのものである。だが、俺もあまり偉そうな事は言えない。
悪ふざけの姉弟喧嘩だったのが、今やすっかりまりなの肉体の虜になっていたのだから。笑いたいなら笑えばいい。まりな、お前だって同じだ。
「みっ、雅ぃっ、私もう……あっ、あぁぁあっ……!!」
「……いいのか、出しても……?」
「……うん……遠慮しないでって、言ったでしょ?」
唇を静かに離し、俺に向けて優しく微笑むその顔を見て、もう絶対に勝てないと悟った。
俺の事をよく理解しているのか、或いは受け入れてくれるのか、まりなの本音は分からない。
でも、迷わなくていいのは確かなんだ……
「んぅぅぅぅっ!!み、雅ぃぃ、はぁぁぁぁ……っ!!」
一層強く抱き締められた瞬間、頭が真っ白になった。