姉弟ゲンカ-5
「……今の顔、撮りたかったなぁ。残念」
「人をオモチャにしやがって。いい加減にしろまりな!」
こちらの言葉を完全に無視して、唾液を滴らせた赤い蛞を這わせてくる。
情けないが、口での愛撫は経験した事が無かったので、声を出さない様に歯を食い縛るのが精一杯だった。
「ごめんなさいは?雅」
「謝る理由なんか無いだろ」
「あっそう……じゃあしょうがないよね」
するとまりなは舌での愛撫を止め、今度は直接その口で咥えてきた。
さすがに悪ふざけが過ぎるので頭を押さえ付けたが、まりなはお構い無しに根元まで飲み込んでくる。止められるならそうしてみろ、って訳か。
「んふぅ……んっ、んぐぅ、んん……」
離そうとしても食らい付いてくるまりなの口。姉に対して本気で力を振るえないというのもあるが、それ以上にまりなが執拗に肉棒に絡み付いてくるのだった。
久々に味わう異性との交わりに、意識とは裏腹に俺の身体はまりなを求めていた。
やめろ、相手は姉だぞ。記憶の限りじゃ1度だってお姉ちゃんだなんて呼んだ事が無いんだぞ。
「ねえ雅、なんでさっきからじっとしたままなの?」
「な、なんでって……分かるだろ、こんな事したらどうなるのかくらい」
「……嫌じゃないの?お、お姉ちゃんと、こういうの……」
上目遣いのその顔に少しだけ恥じらいを見せるまりな。
は、恥ずかしいならやるなよ。多分向こうもついカッとなっちまったんだろうな。
ところがこっちがあまり抵抗しないから、今さら後に退けなくなったのかもしれない。
「困ってんならやるなよ」
「うっ、うるさい。別に困ってなんかないもん」
やっている事は明らかに異常なんだが、意識としては姉弟喧嘩の延長線上みたいだった。
「本当に何とも無いのか?戸惑ってるだろ、俺が予想してた反応と違うから」
「いいえ。もう1回言うけど、いいえ。生意気な弟の行動くらいちゃんと把握してます」
直感的にやるなら今しかないと感じた。
今までやられてたが状況を好転させるならこの時以外に無い。
「そうか、覚悟は出来てるみたいだな。だったら説明しなくてもいいよな」
「ちょ、ちょっと雅!お姉ちゃんに手をあげていいと思ってるの?!」
弟の肉棒をしゃぶった人間の言葉に説得力があるとでも思ってるのか?とにかく、ここからは好きにやらせてもらう。
「きゃっ……!」
起き上がった勢いをそのまま利用し、まりなを押し倒した。
向こうが息を吹き返す前にやってやる。そのつもりだ、覚悟はできてるぞ。なんだか、子供の頃のまま成長してない様な気がしてきた。
俺もまりなも立派に身体だけは育ってしまったのに、頭や気持ちは止まったままなのか。