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三叉路 〜three roads〜
【学園物 恋愛小説】

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男友達-3

「……勝手に話進めちゃって」


私はボソッとつぶやきながら苦笑いを一人で浮かべた。


その時、パタパタと私の前に二人のクラスメートが駆け寄ってきた。


「ねぇねぇ、石澤さんと土橋くんって最近仲いいね〜」


先ほどの私と土橋修のやり取りをチラチラ見ていたらしく、二人は興味津々といった様子で私の顔を覗き込んだ。


「ああ、沙織と大山くんが二人で会ってる間私の相手してくれてるだけだよ。友達いなくてかわいそうって思ってんじゃない?」


「でも、楽しそうに話してるし、土橋くんって女の子と話してるイメージなかったから、もしかして付き合ってるのかなって思ったあ」


ショートカットの女の子の方が私を上目遣いで見つめてきた。


「えーっ! ないない!」


私は顔を真っ赤にして、力強く首を横に振って否定した。


何、そんな風に見えてたの!?


「でもさ、さっき石澤さんの頭にポンと手を置いたのとか、すごくいい感じだったなあ。あたしがあんなことされたら好きになるかも!」


もう一人の髪を後ろに束ねた女の子が冷やかし気味に言うので、急に恥ずかしさで汗がどっと噴き出してきた。


「違うって! 向こうも私も好きとかそんなのないから! だいたい土橋くんのどこがいいの!?」


すると二人はニヤニヤしながら顔を見合わせて、


「土橋くんってずっと怖そうな人って思ってたけど、石澤さんと話してるときに見せる笑顔が結構かわいいって話してたんだよ。それに石澤さんが一人にならないように遊びに来てくれるんでしょ? スッゴい優しいじゃん!」


と、騒ぎ始めた。


二人で盛り上がっているのを聞きながら、土橋修のことなのにまるで自分が褒められたかのような気になって、自然と顔がにやけてくる。


私は手を団扇のようにバタバタさせながら、先ほど頭にポンと手を置かれた感触を思い出していた。




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