投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

アンバランス×トリップ
【ファンタジー 官能小説】

アンバランス×トリップの最初へ アンバランス×トリップ 76 アンバランス×トリップ 78 アンバランス×トリップの最後へ

精霊人-9

(……カリオペが惹かれたのもそういう所かねぇ……)

 スランは1人納得してポロを抱え直し、メインストリートに降りる。

「うぁ〜…荷物もびしょ濡れ……着替えも台無しじゃん……」

 ゼインは犬のように頭を振って水気を切った。

「やんっ」

 カリーは飛んできた飛沫に嫌な顔をし、自分のタオルを投げる。

「さんきゅっ」

「つうか、何だ?それ」

 2人の所に来たスランはゼインの足元にある白い塊に目を向けた。

「「ん?」」

 言われて初めて気づいたゼインとカリーは、声を揃えて下を向く。
 ゼインの足元に転がっている白い塊……それは……。

「イルカだぁ♪」

 カリーはそのイルカを抱き上げて、頬でスリスリする。
 イルカはカリーに揺さぶられ、頭をガクガクと揺らした。

「って……ヤバくね?イルカって水の生き物じゃね?」

「あっ」

 ゼインに突っ込まれたカリーは慌てて水路へ行こうと立ち上がる。

「ああ〜っ悪ぃ悪ぃっ大丈夫だからっ!!」

 その時、メインストリートの向こうから息をきらして男が走ってきた。
 がっしりとした体系に、良く焼けた肌……いかにも海の男です、といった感じの男だ。
 茶色い髪に黄色い目は元気いっぱいで、ドタドタとメインストリートを走る。

「ホント、悪ぃっ!!怪我しなかったか?」

 男は4人の目の前に来るとニカッと笑った。

「怪我はねぇけど……」

「そっか!良かった!」

 白い歯がキラリと輝いて眩しい。

「それより、イルカちゃん」

 カリーは腕に抱いていた白いイルカを男に差し出した。

「え?ああ、おいっクイン!気がついてんのは分かってんだよっ」

 男がイルカをぺしゃりと叩くと、クインと呼ばれたイルカはパチリと目を開ける。
 つぶらな黒い瞳はくるりとカリーを見上げ……その胸の谷間にうりうりと顔を埋めた。


アンバランス×トリップの最初へ アンバランス×トリップ 76 アンバランス×トリップ 78 アンバランス×トリップの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前