精霊人-13
「きゃあ♪可愛い♪」
『キュア』
カリーの言葉に喜んで、ドラゴンは彼女に飛びついた。
「あははっ鱗って意外と硬くないんだねぇ」
ドラゴンを抱いたカリーはヨシヨシと頭を撫でてやり、ポロは興味深げに尻尾に触れる。
『キュッ』
ドラゴンはそのポロに顔を近づけて、頬をペロッと舐めた。
ポロは一瞬驚いたが逃げたり固まったりはしなかった。
「火の精霊でアビィだよ」
『キュア♪』
エンの紹介にアビィは可愛く返事をして、4人も名乗りファンに来た理由を話す。
「う〜ん……これってかなりの使い手の仕事だねぇ」
ポロの枷に少し魔力を流して構造を調べたエンは、頭を掻いて唸った。
「外せるかな?」
カリーの質問にエンはニッコリ笑顔で答える。
「時間はかかるけど外せると思うよぉ?」
カリーはパアッと顔を輝かしたが、スランは眉を寄せた。
解除が難しいなら相当値が張りそうだ。
「……タダってワケには……いかねぇよなぁ?」
スランの問いかけにエンは笑顔のまま答える。
「ボクは宮廷魔導師だからねぇ〜…」
ファン国王の許可を取るのにどれだけ時間がかかるか……そもそも、他国の奴隷人間の為に宮廷魔導師を動かす事が出来るのか……無理のような気がする。
ゼインはため息をついて申し訳なさそうにポロの頭を撫でた。
「外せる事は分かったから、他に探すか」
希望は消えてない、大丈夫。
「え?ボクやるよ?」
「は?」
ゼインの言葉を聞いたエンはきょとんとして言った。
「なんか燃えるじゃん?ゼビアの意地で解除しちゃうよぉ〜?」
今はファンの宮廷魔導師だが、出身は西の大陸にある魔法大国ゼビアだ。
魔法大国の名にかけて他国の魔法使いに負けるワケにはいかない……エンはそう言って両手をワキワキさせる。