私たちは様々な問題を抱えている-4
ランチの後、しょうちゃんにホテルに誘われたけれど、生理だと嘘をついて、別れた。
みんな、色々あるな、と思いながら、だらだらと街中を歩いた。
今年、私は24になる。
人生80年で、まだ自分が半分も生きていない事に、唖然とする瞬間がある。
例えば、仕事でミスをした時、同僚と意志疎通が出来ないとき、恋人に疑われるとき、セフレに無視されるとき。
長い長い人生で、
鼻の奥がツンとするような、
喉に苦いものが上がってくるような気持ちを、
あと何回、繰り返せばいいのだろう。
そんなとき、私は絶望して、苦しくなって、
一層、死んでしまったほうがいいんじゃないかと、思ったりする。
でも、絶望したり、失望したり、見失ったりするのは、私だけではない。
好きという気持ちが分からなくなった塾講師も、
恋人に愛されているか実感できない消防士も、
恋人を信じることができない保険屋も、
みんな、それぞれ、傷ついたり、傷つけたりしながら、毎日、慎ましく生活している。
私たちは、さまざまな問題を抱えている。
しかし、私たちはとにかく、
生きていかなくてはならない。
空気に僅かに雨の匂いが混ざっている。
もうすぐ、また、梅雨がやってくるな、
私は、空を仰いで、そんな事を思った。