私たちは様々な問題を抱えている-3
しょうちゃんの頼んだコーヒーと、私の頼んだカフェオレがテーブルに着くと、
しょうちゃんは、また、話し始めた。
「俺ね、前に、人を好きになる感覚が分からないって言ったの、覚えてる?
俺がね、最後に女の人好きになったのって、大学の時なんだよね。
そう、10年以上前。
バイト先の先輩でね、美人だし、仕事もできて、優しい人だったんだー
まあ、そんな人、男が放っておくわけないから、彼氏もいたんだけど…
若かったからね、彼氏から奪ってやろう位の気持ちがあったんだよね、あの時は。
すっごい、頑張ったんだよね、俺。
何回も飯行って、口説いて、告白も、何回もした。
でも、駄目だったんだよねー
俺が3年のとき、その人、妊娠してさー、そのまま結婚しちゃったんだよねー
泣いたよねー。あんな泣いたの、後にも先にもないかも。
そこからさー、なんか、分かんなくなっちゃって。
燃え尽き症候群に近いかもね。
セフレちゃんいっぱい作っちゃったのも、そのへんから。
セフレちゃんと逢うの、虚しいとかは思ったことはないよ。
ただねー、なんか、違うんだよねー。
なにが違うのか、分かんないんだけど。」
私は、飲み物を飲むのも忘れて、しょうちゃんの話しを聴いていた。
私の両の手の中で、カフェオレはすっかり熱を失っていた。