私たちは様々な問題を抱えている-2
「ねえ、利津子ちゃんの事好きなの、あれ間違いかも」
しょうちゃんは、貝の沢山乗ったパスタを食べながら言った。
「へ?」
私はバジルやらなんやらで緑色をしているパスタを食べながら、気の抜けた声を出した。
「間違い…?」
「ていうか、勘違いみたいな」
「え、え、それどういう…」
「利津子ちゃん状態になってた。」
「え、え、それどういう…」
「…俺ってさー、イケメンでしょ?」
「…は?」
「頭いいし、優しいし、セックス上手いし」
「…ええ、まあ…」
「だからさ、女友達とか、知り合い程度の女の子とか、知り合い程度でもない女の子とか、セフレちゃんとか、
結構、俺の事好きになるんだよねー。」
「…はあ。」
「結構しつこい子もいたんだよー。
毎日頼んでないのに弁当作ってきたり、誕生日調べて一方的にプレゼント送ってきたり、
人の手掴んだと思ったら、自分の胸触らせたり、
家まで付いてきたり。」
「…はあ。」
「なのに、利津子ちゃんは…」
しょうちゃんは食べるのを束の間やめて、呆れたように私を一瞥した。
「ぜんっぜん俺に好意を持たないんだよねー」
「…」
「だってさー、痛いセックスしたり、無視したりする男とさー、
優しくて気持ちいいセックスする男だったら、
絶対に後者を選ぶでしょー」
「…」
「浮気疑ってセックス以外しない男と
浮気してもOKで、セックス以外も楽しめる男だったら、
こっちも後者選ぶでしょー」
「…」
「…だからねー、なんでだってなって、
なんでだ、なんでだ、なんでだって…
それを、俺は、恋だと思っちゃったんだよねー。
以前の誰かさんと同じー。」
「…言いたい事は、分かりました…」
「まあ、だから、どうするわけでもないんだけどね…
また今までどおり、逢ってよ。
もう、好きとか、言わないからさ。」
「…うん。」
しょうちゃんはそこまで言うと、にこっと笑って、店員に食後の飲み物を頼んだ。