いちばん、望むもの。-2
自分にとって大切な想い、裏切りたくない。
好きだって、気持ちに嘘付きたくない。
何でってそんなの、全然俺らしくないじゃん!
諦めることで解決なんて、する訳ないじゃん!
何より諦めるなんて俺に出来る訳ないじゃん!!
月並みで、ジコチューな考えかな?
でも。
俺をこんな性格に創ったのは、彼女。
諦めが悪いのは、彼女のせい。
我慢できないのは彼女のせい。
気持ちに真っ直ぐなのは彼女のせい。
いまこんなに苦しいのも彼女のせい。
だから。
必ず、俺の声、届けたい。
俺の気持ち、届けたい。
それが、俺の、いちばん、望むものだから。
俺が見えたら、彼女、驚くかな?
なんで、いるの!?って。
なんで、見えるの!?って。
そしたら、真っ先にこう言ってやるんだ。
「お前のせいだからな!」って。
「お前がこんな性格にしたせいだ!」って。
それで、ありったけの想いで、こう叫ぶ。
「お前が好きなんだ!」って。
…そんなの、無理だと思う?
でも、俺は諦めない。
世の中、「絶対」なんて無いんだから。
俺がこんな事企ててるのも勿論彼女は知らない。
もっとも知られたら恥ずかしいかな?
何企んでるの!って、笑われるかな?
2月15日、天気はリョーコー。
真夜中の二時、俺は、確かに、ここにいる。
彼女は、絵の途中で寝ちゃってる。
机に突っ伏したまんま。シャーペン握ったまんま。
顔に、下敷きの後付くぞーッ!
俺はここから大声で言った。
彼女が、ぴくっと反応したみたいに見えた。
気のせいだったかも知れないけど。
チャンスを逃してなるものか!
そう思って、俺は叫んだ。
「俺は、お前が、大好きだぞーッ!!」
伝わったかな?
伝わればいいな。
伝わらなかったら?
また、伝わるまで、叫んでみる。
丁度、俺の世界の上で眠る彼女。
こうやって側に行ってやれば、ほら、おんなじ世界にいるみたい。
どんな夢、見てるのかな?
俺の夢だったら、いいな。
夢の中なら、コイツと話せるかなぁ…
彼女の横に寝っ転がって、そんなことうつらうつら考えたりして。
最後にに、そーっと、
気付かれないって分かってても、照れくさいから、そーっと、
彼女のほっぺたに、キスした。
いつか、俺の気持ち、彼女に、伝わりますよーにッ!