ハートのクイーン-10
「あたしのこと・・・・好きなの?」
「6年前から」
「ずっと?」
「ずっと。この家に来ると顔見れないかなって思ってた」
あたしから目を離さないで
じっと見つめながら
あたしの大好きな笑顔で
あたしの大好きな声でヒロくんははっきりと
「好きだよ」
と、言ってくれた。
あたしは布団から抜け出ると
ベッドの上に腰掛けているヒロくんの膝の上に
またがるようにして
向かい合って座った。
「ナオ?」
この数日のヒロくん不足を埋めるように
ギュッとヒロくんを抱きしめると
あたしの心はあったかくなって
ヒロくん、大好きって純粋な気持ちが
6年ぶりに溢れてきた。
ヒロくんの胸に顔をうずめて小さく頬ずりするあたしの顎を
優しく掴んで上に向けたヒロくんは
声にならない程小さく
唇を動かすだけで
「す・き?」とあたしに問いかける。