「友情と恋愛」-3
「だからさ。携帯で話してるより会って話しする方が早いしさ。近々会えへん?」
「うちも、たくさん聞きたいことは山ほどあるけど、二人で会うのはマズイやろ?」
アタシは、二人で会うのは流石にいけないと思った。
今話してる男の彼女の顔と彼氏の顔が浮かび、数秒の間に天秤にかけ自分の気持ちを優先すべくこう返事に切り出した。
「いいよ。明日の授業たいしたのないし途中で帰ってこれるから明日はどう?」
そんなこんなで地元の最寄の駅で待ち合わせをして電話を切った。
「通話料金¥980 通話時間28分」
自分が掛け直したこともすっかり忘れて、このゆっくりと過ごすはずだった時間に
はっきりと大きな落雷があったような、そんな気分だった。時間と通話料金は値段にして高く感じたが、彼の知らせのお陰で、なんとも思わなかった。
アタシは、今まで優等生だと言われてきた。
自分でも、道外れたことも物盗みも警察にお世話になることもなくきた。
家でも、親の過保護や必要以上に干渉し、親のうるさい小言を聞きたくないがために自分のしたいことよりも、親の言いなりにしてきたそれだけだ。
それが、親を勘違いさせてしまい姉のアタシは、「いい子」妹は「聞き分けがない男のみたいな女」だと言う。
妹は、おかげでアタシよりも、やりたい放題である。
そんなこんなで、アタシは高校から煙草を影で吸っている間だけは、自分の唯一の心の窓であり、しばしの逃げ道にしていた。
しかし最近じゃ、安心しきって自分の部屋でも吸うことが増えた。
未成年だからいけないとは思う反面、これが親への精一杯の反抗だった。
明日に会う約束を控えもう寝ることにした。
サボリを決行して、家まで原付で二人乗りした。
当たり前のように、アタシを乗せて友達の彼氏の家に向かう。
どう考えても普通ではない、でも、自分に言い聞きかせるために、「事実確認をしたら帰るんだ」
と堅く決めていた。
そのはずが、家につくとみるみるうちに打ち消されることに。
彼氏の話も、電話で話したこととさほど変化もなく。
それどころか、アタシに近づいてくる。
これはマズイと思い、思わず自分の煙草を鞄から出す仕草を咄嗟にしたものだから、ビックリしていた。
「あれ。どこかな〜?」
「どうしたん?」
「いや〜なんもないねん」
きっと意味もなく聞いたんだろう。
二人の距離は近くなる。手がアタシに肩を押し倒していき、軽く唇が奪われた。
「何するんよ!!!」
「何ってわかってるやん。いいやろちょっとだけ。お願い」
「何が?アカンアカン」
一端起き上がったのに、また畳に付きつかれ、スカートの中のパンストにまで、指が進入してくることに、戸惑いながらも、過敏に反応するのが吐息が答える。
とうとう止められないことまで来たかもしれない。
そう気付いたときには、友達の彼氏は、裸でアタシに肉棒を舐めるように指示していた。
このシチュエーションに興奮したのか、アタシは、そのまま袋の舐めやたらとサービスしていた。
その技も、彼氏に教えられてできるようになった。これだけは、彼氏に感謝してもいいかとも思った。
そして、体を重ねてしまった。
勢いであった。でも、それほど特別な快感を味わったわけでもなく、後悔だけが残った。
自宅まで40分くらいのところだったが、アタシは、歩いて帰ることにした。
歩いてその罪が償えるわけでもなく。
現在、友達カップルも別れ、今でもアタシは、友達にアノ日のことを話せずにいる。