赤い眼-22
「カリー、手ぇどうした?」
「ぅえ?!」
カリーは素っ頓狂な声をあげ、ゼインも余計な事を聞いたと気づいたが今更引っ込みがつかず、2人は微妙に視線を反らす。
ポロは呆れた顔でゼインを見て、こっそりとため息をついた。
「ああっと……えっとぉ……き、緊縛プレイ?」
ブハッ
カリーの答えを聞いたスランは盛大に吹き出して大笑いし、ゼインとポロは目を丸くする。
「なによぅ!!あんたが言えって言ったんじゃん!!」
「あははははっマジで言うとは思ってなかった!!」
真っ赤な顔でスランに噛みつくカリーに、それを笑いながら押さえるスラン。
スランに気を許したカリーの態度にゼインの胃はキリキリ痛む。
「……見せつけんなっての……」
ゼインはボソッと呟いて2人から視線を外し、再び海に目を向けた。
そんなゼインにポロは寄り添い、そっと腕を絡める。
少し視線をポロに向けたゼインは、絡まってきたポロの手を反対の手で擦り、大丈夫だと伝えた。
「……綺麗だな」
ゼインの言葉が海の事かカリーの事かポロには分からなかったが、どちらも綺麗なので素直に頷く。
(……どうして……?)
望むものは直ぐそこに有るのに手に入らないのだろう?
答えを教えてくれる人は……ここには居ない。