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アンバランス×トリップ
【ファンタジー 官能小説】

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赤い眼-13

「ほら、俺って奴隷じゃん?なんか薬の被験者っつって色々薬打たれた結果、怪我の治りが無茶苦茶早いんだよな」

 そう言った少年はホレッと右腕をカリオペに見せた。
 ざっくりと切れている傷がカリオペの目の前でゆっくりと微かに閉じていくのが分かる。

「凄ぉい」

「ただな、薬いっぺんに打ちすぎてどの薬が効いたか分かんねぇでやんの」

 少年はクスクス笑って再び唐揚げに手を伸ばした。

「あ!ダメだってば!服着てからっ!!」

 カリオペは慌てて少年を止めようとして……お約束通り足を滑らせる。

「わきゃっ?!」

「どあっ!!」

 倒れ込んできたカリオペを少年は抱き止めたが、小さな少年では支えきれずに2人して床に転がった。

「ごみ〜ん」

 カリオペは謝りながら身体を起こそうとしてわたわたする。

「わっ!馬鹿っ!!」

「わきゃきゃっ」

 わたわたした結果、変な所を触ってしまって余計に慌てるカリオペ。

(何やってんのよぉ〜)

 普段ならこんな事にならないのに、少年に抱き止められた途端パニックになった。

「ストップストップ、動くなっ」

 身体の上でもぞもぞされた少年は堪らずカリオペを抱いていた腕に力を入れて彼女を止める。
 ギュウっと胸に押し付けられたカリオペは、どぎまぎしながらもとりあえず大人しくなった。

「ははっお前、落ち着きねぇな」

「うるしゃ〜い」

 落ち着け落ち着け、と笑いながら背中をポンポン叩かれて、カリオペは恥ずかしさで顔が赤くなる。
 ドキドキ煩い心臓なのに妙に心地良い感覚。
 暫くそうしているとポンポン叩いていた少年の手が擦る動きに変わる。

「……お前……生きてんな……」

「ん?」

 妙な事を口ばしった少年を、カリオペは顔を動かして見上げた。
 少年はカリオペと視線を合わせてクスリと笑う。


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