恋に変わるとき-6
「んっ……!」
唇が重なった瞬間、あたしの全身に電気が走ったように動けなくなった。
そんなあたしをグッと抱き締めながらなおも優しいキスの雨を降らせ続ける臼井陽介。
何度も何度もあたしの唇の感触を確かめるような、どこか勿体つけたキスの仕方はあたしをますます狂わせていく。
火が点いた身体はもっとコイツを求め始めて、わずかに空いた口からチラリと舌を出して、自分から深いキスをせがんでしまった。
――もっと触れたい
口の中で蠢く舌を絡ませながら、必死でコイツの身体にしがみつく。
臼井陽介はそんなあたしの身体を支えながら、ゆっくりパジャマの裾から手を差し入れてきた。
冷たい指があたしのお腹を撫でれば、ピクンと強張る身体。
ツツ、とあたしの身体をはい回る指はどんどん上の方へ移動していき、背中に回る。
咄嗟に胸に重みを感じたのは、あっと言う間にコイツがブラのホックを外したからだ。
ホックを外した手は、ゆっくり前へと移動していき、その大きな手があたしの左胸を包んだ。
たまらず漏らした淫らな声。
優真先輩にここまでされると、そんな自分がたまらなく恥ずかしくなって、次は決まって抵抗する声を出すはずなのに、何でだろう、次から次へと出てくるのは、AV女優みたいな高くて切なげな声ばかり。
――キスして、抱き合ってさ、もっともっと 繋がりた いとか思わない?
また、あの時の臼井陽介の言葉が蘇る。
うん、やっとその意味がわかった気がする。
恥ずかしいことしてるってわかっていても、もっともっと触れて欲しくて、誘うような甘い吐息が勝手にどんどん漏れてしまう。
まさか優真先輩じゃなくて、臼井陽介にそう感じてしまうなんて、夢にも思わなかったけど。
「臼井くん……」
「……あ?」
心なしか、荒い息遣いの彼をそっと見上げてから、あたしは勇気を出して口を開いた。
「……抱いて」