恋に変わるとき-14
前の携帯には、女の子のアドレスが何件入ってたかは知るよしもない。
でも、今の携帯に入っている女は、彼のお母さんと、高校時代からの友人の羽衣さんと、あたしだけ。
超がつくほどの女ったらしはすっかりナリを潜めて、あたしだけを愛してくれてるのだ。
陽介と付き合うことになったと輝美に報告した時は、「恵が臼井くんの毒牙にかかっちゃったあ」ってからかわれたけれど、「でも、なんとなくこんなことになるような気がしてた」とも言われた。
陽介と喧嘩してばかりの頃から、自分でも気付かないほど密かに芽生えていた想いを、輝美は敏感に察知していたのかもしれない。
その小さな恋のつぼみは知らず知らずのうちに膨らんで、今、大きく花開いている。
この花は、あなたが隣で笑っていてくれるならずっと咲き続けるだろう。
あたしはもぞもぞ動いて陽介の身体に腕をまわした。
「ん、どうした?」
「陽介、大好き」
「何だいきなり」
「大好き。愛してる」
そう言って、キスをする、それが合図。
陽介はさらに愛情のこもったキスをたくさんあたしにしてくれ、めくるめく快楽と、一つになる充足感を与えてくれる。
再びスプリングがきしみ始めるベッド。
あたしは陽介の温もりや鼓動を肌で感じながら、再び悦びの声を上げ始めていた。
〜end〜