第4話-1
私には超能力があります(ナオさんに対してだけですが)
ナオさんが近くにいるとわかります。あと、ナオさんの気持ちがわかります。
(ナオさん帰ってきた。嬉しそうだ)
「ただいまー。そこで500円ひろったー。ひゃほほ」
「良かったですね。明日オヤツ買うといいですよ」
(ナオさんお腹へってる)
「さぶいよー。お腹へったよぅ」
「牛乳温めてまーす。お砂糖入りですよ」
(ナオさん泣いてる)
「わーん、ぬこが死んでるよぅ。かわいそうだよぅ」
「悲しいですね。引取りの電話しときますから、お風呂入って元気出しましょう」
でも、ナオさんに気づけないときがあります。
それは…
(今日はお布団干せてフカフカだし、洗濯物は2日分あるし、うれしいなぁ)
そうじ、洗濯は私の仕事です。
ナオさんの汚れ物でするのが、私の秘密の楽しみです。
洗濯かごから、ナオさんの下着類を取り出します。
とてもドキドキします。
(ナオさん、今日は講義で遅くなるし、鍵も掛けてあるから大丈夫だね)
フカフカ布団の上に、下着を並べます。私は服を脱ぎます。
(ナオさんのTシャツいいにおい。そうだ、ナオさんの枕に着せちゃおう。
もう一枚は自分で着ちゃうんだ)
ナオさんのTシャツは、私にはブカブカです。素肌に気持ちいいです。
(ナオさんのショーツすてき。こっちがおとといのだね。あぁ、うれしいなぁ)
ナオさんの枕を脚で挟んで、押し付けながら、ショーツを嗅ぎます。
嬉しくて、ゴロゴロしちゃいます。
(あうう。こないだみたいにしちゃおう)
ショーツのクロッチ部分を一生懸命なめて、だ液をたらします。
(終わったらすぐに洗えばいいや。もう我慢できない)
私はうつ伏せでお尻を上げ、中指でショーツを肛門に押し込みます。
(あああ、すごい興奮する。もうだめだ。ゆっくり抜くときにいこう)
私はそのときに備えて、ナオさんが昨日はいていたショーツを目の前に置いてあります。
(これで一番いいにおいのとこをかいで、引き抜けばこないだみたいに気持ちよくなる…
ああ、ナオさん…ナオさん…)
「ちょっと!ゆえ!なにしてんのよ!」
「!!!!!!!!!!!!」
「メール入れても、ドアホン鳴らしても気づかないんだもん!ちょっとそこ座りなさい!」
お尻のショーツを抜く間もありません…
「急に休講になったんだもん!こういうことはマナー違反よね?
毎日こういうことしてたの?私の目を見て答えて!」
「ううう、うわーん!ナオさん、ごめんなさい!ずっとしてたの!
ナオさんとしてるとこ考えてすると、すごく良かったの!ごめんなさい!
私を嫌いにならないでください!わ〜ん!」
「…もう。ゆえのことは好きだから嫌いにならないけど、ひとつ約束して」
「はい、約束します。ぐすん」
「ずっと私のそばにいて。そしたら毎日こういうことしていいわよ」
「……はい!私ずっとナオさんのそばにいます!ナオさんありがとう!うわーん!」
私はナオさんに抱きついて、顔中にキスの雨を降らせます。
ナオさんは私のお尻から、ショーツを優しく引き抜いて眺めます。
「ゆえは私のものよ」
今日はナオさんとジョギングでスタートです。
最近は、短い距離なら一緒に走ります。
私が前で、ナオさんがペースを合わせてくれます。
近所の川の、土手上を走ります。
(トッ)
「?」
「ゆえ!ヘビ、ヘビ!踏んじゃうよ!」
「わっ!?わわっ!!ぎゃーっ!!」
ヘビが足元でのたうっています…
「うわぁ??これ、ナオさんがやったんですか?うわぁうわぁ」
頭に釘が刺さって、地面に留められています。
「そう、私が投げたの。ゆえ全然見てないんだもん」
「…これが前に言ってたやつですか?」
「そう。とりあえず抜こうかな」
頭を踏んで、釘を抜きます。
「わーっ!!わーっ!!」
「大丈夫、ほい、ほいっと」
歩きます…
「ナオさん、ありがとうございました。あれは、おじいさんに教わったんですか?」
「うん、祖父はイギリス人で、軍隊にいたの。
クロスカントリーの選手だったのは話したね。」
「はい」
「軍隊で先生をしていて、投げナイフが得意だった。
私は父がいなくて、祖父が相手をしてくれたの」
「はー、それでナオさんはスラッと背が高いんですねぇ。
でも、どっから出したんですか…あれ」
「わからないようにいつも持っているよ。護身術だもん。
ゆえに気がつかれてなければ、まぁまぁだね。
さぁ、シャワー浴びて、今日は外に食べに行こう」
「はい」
マンションの近くにできた、ショッピングセンターのタコスケで、
たこ焼きとたい焼きを食べます。
「しかし、すごい早業でしたねぇ。たくさん練習したんですか?ハフハフ」
「うん。あのくらいの距離なら、どっちからどっちむきでも打てるよ。ハフハフ。
後ろも見なくても大丈夫。たこ焼きもこのとーり」
(プッ)
隣の家族連れが、
赤ちゃんに気を取られてる隙にたこ焼きに串を投げ刺します。
(だーっ!だーっ!)
私は串を抜こうとするのですが、思いのほか深く刺さっていて、
ひとつ持ってきてしまいます…
「あはは。でも、私の技は軽いの、祖父が本気で打ったときはすごかった。
車の窓でもボディーでも、ドカドカ抜いちゃうんだもん。腰が抜けて立てなかった」
「ちょ」
「安心して、ゆえを襲うようなヤツは針の山よ。女の子には許されるのだ」
「ほどほどにしてあげてくださいね」