コスプレタイム-3
「真夏のカジュアルウェア、行ってみよー。」
「な、何だよカジュアルウェアって。」
「今度は別にレディスってわけじゃないから。」
「で?」
「デニムのローライズショートパンツにへそ出しチビTなんてどう?」
手渡されたその極端に丈の短く、まるでジュニアサイズのようなTシャツを広げながら龍は言った。「こっ、これのどこがメンズなんだよっ!それに、さっきもへそ出しだったんだけどね!」
「龍くんのお腹、引き締まっててかっこいいから、積極的に見せなきゃ。」
「少年っぽくて素敵じゃない。」
「そ、そんなもんですかね・・・。」龍はもう抵抗する気力を失いかけていた。所詮このオタク二人組のお姉様方にはかなわない、とようやく気づき始めたのだった。そして彼はのろのろと真雪に手渡された極端に短いデニムのパンツを受け取り、脚を通し始めた。
「う・・・こ、これはなかなかきついぞ・・・。」
逞しい大臀筋が邪魔して、そのパンツはなかなか上に上がらなかった。真雪が立ち上がり、手を貸した。「大きめの、買ってきたんだけどな・・・意外に龍って大きいんだね。春菜も手伝って。」
「わかった。」
「え?か、買ってきたって・・・。これからも何度か俺に穿かせる気?」二人の女性にパンツを引っ張り上げられながら、龍は焦って言った。
「夏にいっしょにリゾートに行く時なんかに穿いてよ。海岸あたりだったらきっと普通だよ。」
「いや、絶対普通じゃないと思う・・・。」
真雪と春菜に手伝ってもらって、ようやく龍はそのデニムのパンツを身に着けた。
「ぎちぎちのぱつぱつだよー。ちょっとでも動いたら破れちゃいそうだよ。」
「やだ!かわいいっ!かわいすぎるっ!」真雪は龍に飛びついた。そして唇に吸い付いたまましばらく離れなかった。「むぐぐぐぐ・・・」龍は苦しそうに呻いた。
「うんうん!セクシーだね!ショタコンとか、そっち系の男性には垂涎モノだね。」
ようやく真雪が龍を解放して興奮状態のまま言った。「いいよねいいよね。いっそゲイ雑誌に投稿しようかな。」
「やめてっ!」龍が叫んだ。「お、俺の人生をめちゃめちゃにする気ですかっ!」
「なんで?その世界で生きるっていう選択肢もありじゃない?」
龍は悲しそうな顔で言った。「真雪さん、俺がその世界に足を踏み込んでもいいってんですか?あなたは。」
「うーん・・・。」
「考えてるしっ!」
春菜が静かに言った。「真雪、龍くんが手の届かないところに行ってしまうのは、寂しすぎるよ。」
「いや、寂しいとか、そういうレベルの話では、」
「そうだね。龍はずっとあたしだけのものだから、他のオトコや腐女子の慰みものになるのは、やっぱりいやだな。」
「だよねだよねだよね!」龍はその衣装を焦りながら脱ぎ始めた。
パシャッ!脱ぎ始めた龍のセクシーな姿の写真は、それでもちゃっかり撮られるのだった。