白黒-1
「目、開けんなよー」
薄暗いラブホテルの一室で、私は固く目を閉じている。
「思ったより飛んだなー」
ユウトさんは満足げに私の目元をティッシュで拭った。
やっと目が開けられるようになった私は
「なんで、いつも顔射するの」
と迷惑だという意志を含ませて言う。
「りっちゃんが可愛いからー」
ユウトさんはそう言って髪を撫でた。
「フッ」
思わず鼻で笑ってしまった。
「…今、鼻で笑った?」
「ええ」
「前は鼻で笑うような子じゃなかったのに…」
そんな事言いながらも、ユウトさんは楽しそうに私の顔を見ていた。
鼻で笑う子にもなっちゃいますよ。
コーヒーを沸かすために、私は下着をつけて立ち上がった。