白黒-2
ここ数ヵ月で色んな事がありすぎた。
恋愛をほとんどしたことのなかった内向的な女子が出会い系に手を出して、
セフレができて、長く付き合っていた恋人を、捨てた。
今は、セフレだった保険屋と交際している。
でも、懲りもせず、
こうやって付き合ってもいない人と、体を重ねてしまう。
鼻で、笑いたくもなってしまう。
ユウトさんは、少し前まで、身が捩れてしまう程、好きだった。
身も世もなく焦がれていた。
でも、今はそんな事は嘘だったように、ユウトさんの恋人の話しなんかもすんなりと聞いてしまう。
「感情なんてアテになんないな。」
ユウトさんに聞こえないくらいの小声で呟きながら、私は2人分のコーヒーを注ぐ。
なのに、こうやって会いたくなってしまうのは、自分の欲求なのか、必要とされたい願望なのか。
「りっちゃん、コーヒーにミルクいれてね」
ベットで寝そべっているユウトさんが声をかける。
多分、なんの感情もないから会えちゃうんだろうな。
好意もなければ憎悪もない。
そんな事を思いながら、私はポーションミルクの蓋をぷちっと音をたてて開けた。