ダイヤのクイーン-9
「ダイスケ、ごめん。具合悪い。
今日は帰って」
そう言ってあたしは急いでリビングを出た。
バタバタっと階段を上ると
力の限り自分の部屋のドアを閉めた。
あたしの心が遮断されるように
もう何も考えたくない。
ベッドの布団に潜って声を殺す。
昨日の寝不足と
昨日の泣きすぎと
今の混乱で頭が痛い。
あたしは、そのまま意識を手放した。
どれぐらい時間が経った時か
ベッドが軋む音で
うっすらと意識を取り戻す。
「おにーちゃん・・・」
ああ、制服のスカートしわくちゃだな。
そんなことが思えるんだから
あたしはまだどこかで冷静らしい。