ダイヤのクイーン-7
めんどくさいな。
ヒロくんに会いたくないのに。
「マサさん。ちわっす」
愛想よくリビングに入っていくダイスケに
ため息をつきながらあたしも続く。
「あ!昨日の子!マサの妹だったんだ?」
ズキっと胸がなる。
昨日、ヒロくんの隣にいた女性が今もヒロくんと同じソファに
座っている。
なんで・・ここに居るの・・・
「あ?リカ、妹にあったの?」
お兄ちゃんがその女性に話しかける。
言わないで・・・
あたしがヒロくんに会いに行ったってお兄ちゃんに言わないで。
その女の人が答えようとしたのを遮るように、
「偶然会った」
と、偶然じゃないことを1番よく知ってるヒロくんがそう答えた。
偶然の訳、ないじゃん。