ダイヤのクイーン-10
「マサじゃない。俺」
ヒロくん!
一気に意識を取り戻し布団をかぶりなおす。
なんで?なんで?
「い。今何時?」
「もう11時すぎ」
あたし、あのまま寝ちゃったんだ・・・・
「何?」
電気をつけていない薄暗い部屋で
あたしは小さい声でヒロくんに聞いた。
「ナオ。あいつと付き合うの?」
え?
「あいつ、ナオのことが好きだって、俺に宣言して帰りやがった」
・・・・
「オレとエッチしたってあいつに言った?」
あたしは布団の外からでもわかるぐらい大きく首を振った。
「そっか。いい子だ。オレとエッチしたって誰にもナイショだよ?」
え?
「もちろん、マサにも」
・・・え?
「わかってるよね?」
誰とエッチしたかなんて
誰にも言うつもりはない。
もちろんお兄ちゃんにも。
でも・・・
なんでヒロくん、わざわざ口止めするの?