隠し事-14
「ふやあぁん!」
じゅぷじゅぷと中身が吸いあげられてカリーの背中が反る。
「美味っ」
「へ……変態〜…」
「いや、ホント」
スランはもう一度酒を吸うとカリーの両足を肩から降ろした。
ゴプリと音を立てて残りの酒が流れでる。
そして、口に酒を含んだスランはカリーの両頬を固定して口移しで酒を飲ませた。
「んっ?!くっんく」
自分の膣に入ってた酒なんて飲みたくなかったが、抵抗出来ずに我慢して飲み込む。
「んはあっハァ…ハァ…ハァ…」
全部飲み込むとスランは微笑んでカリーの頬を撫で、優しくキスを落とした。
ファーストキスもセカンドキスもこの男に奪われた……もう、どうでも良い。
カリーはぐったりしたまま甘んじてスランの口づけを受ける。
口腔内をスランの舌が這いずり回り、自然とカリーも舌を動かしてスランと舌を絡めた。
「んっはぁ……んぅ……く…ぁはぁっ」
「お前、キス下手」
息継ぎやら舌の動きがぎこちない、とスランは笑う。
「んっ……した事…ないもん……」
「はあ?」
意外な答えにスランは目を丸くした。
「ハァ…キスは……大事に取っておいたのにぃ〜…アンタがあっさり奪ったのぉ!」
女暗殺者は身体を使って仕事をする。
一番簡単な方法は口移しで毒を飲ませるのだが、カリーはそれがどうしても嫌でそれ以外の方法で暗殺してきた。
おかげで他の技術スキルが上がり、暗殺者達に噂される程になったのだ。
「……俺がファーストキス?」
「……ムカつく……」
カリーは涙目でスランを睨むが、その彼の顔が微妙に赤くなっているのに気づきカリーもつられて恥ずかしくなる。
「な……何でアンタが照れるのよぅ」
「ははっ……分かんね」
スランは笑いながらカリーと額を合わせた。
「……変なの……」
「……だな」
何だかスランの素顔が垣間見えて調子が狂う。
殺そうと思っていた相手なのに、その気が削がれた。
まあ、酔いのせいだろう……上と下の口から強い酒を飲んでいるのだから無理もない。
身体が熱くてフワフワ……まるで自分が鳥になった様な気がする。