ハートのジャック2-4
結局カラオケに行くのは12人で。
みんなで一緒に校門を出た。
1つ先の駅前のカラオケ屋の30%割引を誰かが
持ってるとか、持ってないとか・・・
最寄駅から電車に乗ろうとSuicaを出したところで
「ナオ」
と声がした。
あたしが・・・・
聞き間違えるはずがない。
大好きな大好きな声。
「ヒロくん?」
キョロキョロと辺りを見回す。
ぐはっっ・・・
やられました!
かっこよすぎ!
なんなんの?
ヒロくん!
あたしを悩殺する気なの!!!!
めちゃめちゃかっこいいヒロくんが
改札に寄りかかって
こっちを見ていた。
「なに?だれ?」
「ナオの知り合い?」
「いい男!」
一緒にいた女子たちが騒ぎ出す。
今まで一緒にいた同級生の男子なんて
急にお子ちゃまに見えて。
一瞬であたしの全てがヒロくんになる。