ストリップ劇場 恵子-4
喜んだ恵子は呆気にとられる仲間を余所に、嬉々として踊り子に手を引かれてステージによじ登った。
モデルウォークのようにステージの中央に進んだ恵子がクルリと客席に向かって姿勢を正すと、そのタイミングに併せてスポットライトが当たり、恵子の艶やかな容姿を照らした。
「おおおおお」
仲間たちは恵子の凛とした姿に感嘆の声を洩らした。
音楽が始まる前、支配人が客席へと移動してきた。もちろんの恵子をかぶりつき席から見るためだった。
支配人に気づいた美弥子はビデオカメラをかざして聞いた。
「ねえ、身内だから撮影してもいいでしょ」
「う〜ん、本当は場内撮影禁止なんですけど、まあいいでしょ。ウチの踊り子じゃないし」
「ありがとう、じゃあ遠慮なく」
美弥子は嬉々としてビデオカメラをステージの恵子に向けた。
皆の視線を感じて身を硬くした恵子だったがそれも一瞬のこと、支配人の合図で音楽が始まると、不思議と緊張も解けて自然と体が動きだした。
元々身体能力は素晴らしい物を持っている。なめかしく腰を動かす恵子は凄く絵になっていた。
「カッコいい!」
しばらく腰をくねらせて踊り、その動きで見る者を惹きつけたところで恵子のしなやかな手が浴衣の帯に触れ、ゆっくりと体を回転させながらそれを解き始めた。
「おおお、脱ぐぞ〜!」
帯が完全に解けると片手で襟元を抑えて浴衣がはだけないようにして、帯は客席に投げ込んだ。
「きゃあああ、もう返さないわよお。旅館まで裸で帰りなさい」
次に襟元を抑えた手を持ち替えて、片方の襟を焦らすように徐々に下ろしていき、乳首が見えるスレスレのところで動きを止めて見ている者の期待感を煽った。
食い入る様な皆の視線を感じ、さらにもう一拍待った恵子は徐にポロリと乳首をさらけ出した。
「きゃあ、恵子ちゃんのおっぱいが出たあああ」
「恵子、乳首勃ってるぞ!」
そんな声援に反応した恵子は、紅潮しながら微笑み乳首をクリクリと摘まんで応えた。
しかし、その声援に反応したのは恵子だけでは無かったのだ。何故かカップルの女が『恵子』の名前にピクリと反応した。
「恵子…。やっぱりそうだわ!ねえ、あの子って恵子ちゃんじゃない?」
カップルの女は隣に座る男に確認を求めた。