ハートのジャック-8
「ダメだよ?ナオ。抵抗しないと進んじゃうよ?」
あの時、あたしがキスしたいと思った唇が
いまあたしの唇と重なってる。
ヒロくんの舌があたしの唇をキスの中で舐め上げた。
「ナオ。ゲームより楽しい?」
キス初心者のあたしは鼻で息をするなんて
知らなくて、とたんに酸素不足になる。
酸素を求めて口を開く。
その隙を見逃さずにヒロくんの舌があたしの口内を動き回った。
「いいこだ」
頭を抑えていたヒロくんの手が
ゆっくりと肩をなで始めて
背筋がゾクッとした。
嫌悪感じゃなくてあたしのなかの女が目を覚ました感じ・・・
パチンと小さな音を頭の片隅で聞いて
胸の締め付けがなくなった。
初めてのキスに頭がぼーっとしているあたしに
新たな刺激が襲う。
「ぃやぁ。。。」
ゆっくりとむねを愛撫される手を力なく払いのけようとすると
その手を掴まれる。
「嫌じゃないだろ?ナオはオレの」