ハートのジャック-7
あたしの思考はそこでストップした。
ヒロくんがあたしの顎を軽く掴んで
上を向かせた。
ああ・・・
思い出した。
この顔が好きだった。
あたしは小学生だったけど
あの頃のあたしなりに真剣に好きだった。
「ん・・・」
やけに綺麗な顔の男の子だな。
お兄ちゃんの友達ってみんなガサツなのに。
ヒロくんは本当に優しかった。
「んぁっ・・・」
誰よりもかっこよくて
誰よりも優しくって
クラスの男の子なんか
本当に子供に思えた。
「はぁ・・・ぁんっ」
でも・・・・
女の人とキスしてた。
ナオが1番好きだって言ってくれたのに。
ナオが1番かわいいって言ってくれたのに。
女の人とキスしてた。
「ヒロく・・・っん」
悲しくて悔しかった。
やっぱりあたしはお兄ちゃんの妹だから
優しくしてくれてただけなんだ。って。
「は・・ぁ・・・・ぁ」