ハートのジャック-2
お兄ちゃんの中学からの友達で
中学・高校・大学とずっと親友のヒロくん。
中学生だったお兄ちゃんは今よりずっと意地悪で
私なんか相手にしてくれなかった。
でも、お兄ちゃんのお友達でヒロくんだけは
あたしを仲間に入れてくれた。
「ナオちゃんもおいで」
その言葉に何度嬉しく思ったことか・・・
ナオちゃん。
ヒロくんが呼んでくれるその響きが大好きだった。
そう・・・
「だった」・・・
ある日、学校から帰る途中で見ちゃったんだ。
公園でヒロくんが可愛い女の人とキスしているところ。
小学生だったあたしはショックでショックで・・・
なんだかすごく汚いものを見ちゃった感じがした。
いつも優しいヒロくん。
いつも笑ってるヒロくん。
そのヒロくんが女の人とキスしてた・・・
やだやだ!
やだ!
汚い!
そう思った日から
あたしはヒロくんを避けた。