ハートのジャック-11
それはさっきの貪るようなキスじゃなくて
優しい優しいキスだった。
髪を撫でられ
親指で涙を拭ってくれた。
なんだか、怖くて、痛くて、緊張していたけど
ゆっくりゆっくりキスをしてくれて
ゆっくりゆっくり髪をなでてくれたから
あたしはゆっくりと深呼吸して
自然と力を抜くことができた。
「ナオ、いい子だ」
そう言うとゆっくりとヒロくんはあたしの上で動き始めた。
「はぁ・・はぁ・・・ん。ヒロくん・・・」
「ん?」
「あたし、へんだよ・・・」
「なにが?」
ヒロくんの息も荒い。
「気持ちよくなってきたのぉ・・」
一瞬動きが止まったヒロくんは
嬉しそうに笑うと
「エロいやつ」
そう言うとさらに動きを早めた。