執事なんです。私-3
しばらくして、外も暗くなってきた。麗音さんはすでに帰っていった。
兄は部屋でなぜか拗ねていて、一度も部屋から出てくることはなかった。
「さて、そろそろ帰えろうかなっと」
「そうですか、では送っていきます」
「ん、ありがとう〜」
「蓮さんまたね」
「おう、真菜ちゃんまたな〜」
笑顔で彼女に手を振る彼。楽しそうな顔をしていた。
「いい人だな、お嬢様」
「えぇ、素直じゃないけどいい人ですよ」
「まるで瑠奈ちゃんみたいだ」
「…うるさいです」
「ははは、怒るなって」