出会いのきっかけは一匹の猫でした-5
「ただいま戻りました」
「お帰り、瑠奈。…最近、よく出かけるね」
家に戻るとお嬢様がそんなことを言い出す。
恋人でもできたのか?と兄がニヤニヤしながら尋ねてきた。
思わず私は驚いた顔をしてしまう。
「え、図星?」
「あ…えと…」
「え?そうなの?どんな人?どんな人?」
目を輝かせてお嬢様が私に詰め寄る。年頃の女の子ということもあって、こういう話には興味津々である。
「えと…じゃあ、今度紹介しますね」
「…まじでできたのか…」
「…瑠衣、残念そうだね?…やっぱりシスコン疑惑は本当だったのか…」
「ちょ…いつの間にそんな疑惑が…!?」
「大丈夫です、私は気づいてましたから」
「いや、気づいてたって、そもそもシスコンじゃないし!」
慌てる兄。ますます怪しい。
彼にいじられまくった腹いせなのか私はこの後兄をいじり倒していた。