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〈亡者達の誘う地〜刑事・銭森四姉妹〉
【鬼畜 官能小説】

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〈猛る瞳と擬態する者達〉-1

美津紀と文乃が謎の失踪をしてから一週間。

美津紀を“失った”四姉妹は、警視総監である祖父の自宅に呼び出されていた。
周囲を生け垣で囲い、その瓦屋根の屋敷の大きさたるや、まさに城と呼べた。



『美津紀が居なくなって今日で一週間……きっと何かに巻き込まれたのじゃ!!……そうだ……本村文乃とかいう刑事がヘマをやらかして、それで美津紀までも……』


祖父は歯ぎしりしながら喚き散らし、緊張した面持ちの孫娘達の前で嘆いていた。
成績優秀で素直で、祖父の一番のお気に入りだった美津紀……溺愛していた孫娘の突然の失踪に、祖父は冷静ではいられず、文乃を罵る事でしか哀しみを抑えられないでいた。


『よいか、美津紀の失踪は誰にも言っちゃいかん!守秘義務だ!刑事が事件に巻き込まれたなどと知れたら、美津紀の人生は真っ暗になってしまうぞ!!』


祖父の言葉に、孫娘達も従うしかなかった。
市民の安全を守る立場の刑事が、二人揃って消えてしまうなどと世間に知れ渡ってしまえば、沽券に関わる。


『……これは他の警官達にも内緒で捜査する……署内の美津紀の立場も危うくなるからな!』


いくら孫娘が可愛いと言っても、まるで文乃の事など眼中に無いような物言いに、麻里子は少し怒りを覚えていた。
いや、麻里子だけではない。
瑠璃子も春奈も……。


長女・麻里子はスラリと背が高く、かなり明るめな茶色の髪をしていた。
眉はキリリと伸び、鼻筋も綺麗に通っていて、ショートカットが良く似合う。
瞳は子猫のように切れ上がっており、ひとたび犯罪に向き合えば、豹のように鋭い光りを放つ。
モデルかグラビアアイドル並の美貌を誇りながら、男勝りの性格で、逮捕術でも男性警官を圧倒する強さを持っていた。

二女の瑠璃子は麻里子に似ており、かなりパッチリした瞳をしていた。
肩に掛かるセミロングは栗毛色に輝き、あまり高くない身長と相まって高校生にしか見えない。
麻里子より無邪気というか幼さは残るものの、長く伸びた肢体は麻里子に勝るとも劣らない美しさだ。

三女の春奈もまた瞳は大きく、クリクリとよく動く様はリスなどの小動物のよう。
鼻は美津紀に似てあまり高くはないが、アヒルのような唇がとても可愛らしい。長い黒髪がお嬢様のような清楚さを醸しだし、小さな胸がそれに拍車をかけていた。


「……いい?絶対に一人で踏み込んだりしたら駄目よ?何かあったら無線か携帯電話で連絡して」


麻里子は二人を神妙な顔で見つめながら話した。
美津紀や文乃の失踪と、あおい達の失踪とが、どうしても無関係とは思えなかったからだ。


「大丈夫……私だって刑事なんだから」

「必ず見つけるわ。美津紀も文乃さんも…ね」


瑠璃子も春奈も、かなり緊張した面持ちで麻里子を見つめた。
だが二人の緊張は、麻里子の表情の真意まで汲み取ってはいなかった。



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