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ゼビア・ズ・ショートストーリー
【ファンタジー その他小説】

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烏合の衆-3

「丸々6年ですけどね……気になったんだから仕方ないじゃないですか」

 ひーっと息を吸ったアースは涙目でサクを見た。

「そういう天然なとこが気に入ったんだよ」

「はあ?」

 天然なんて初めて言われたサクは間抜けな返事をしてしまう。

「普通の奴は犯罪者とかと一緒のチームに居るってので疑問が沸くもんだろ?なぁのにお前は「自分は普通だから」って……くくっ普通じゃねぇ……全っ然、普通じゃねぇ」

 アースは再び大爆笑して机をばんばん叩いた。

「……はぁ……」

 サクはいまいち納得いかないが、笑い続けるアースをこれ以上問い詰める気になれず配置替えの作業を続ける。

 遅々として進まない作業に嫌気が差したアースは、ふと顔を上げて隊長室のドアを力いっぱい押した。

「うわっ」

「痛っ」

 ドアの前にたむろっていたアース隊メンバーが、いきなり開いたドアに押されてドミノ倒しになる。

「なぁにやってんだ?お前ぇら」

 予想通りの光景にアースは呆れた顔で腕を組んでメンバー達を見下ろした。

「へへへ」

 メンバー達は床に座ったまま決まり悪そうに頭を掻く。

「いやぁ……アース隊解散って話ホントかなって思いやして……」

 解散の事はアースとサク、そして団長スオウの3人で話しただけでまだ国王にも言っていないというのにどこから仕入れてきたのか……これだからアース隊は油断出来ない。

「ああ、本当だ。お前らは他の隊にバラけさせっからな」

 誤魔化しても無駄な事が分かっているアースはため息をつきつつ伝えた。

「そんなっサクさんは?!」

「お前らの尻拭いは嫌だとよ」

 身もフタも無いアースの言い方に、メンバー達はグッと詰まる。

「そのまま言わないで下さいよ」

 いくらなんでもメンバー達が可哀想だ、とサクはアースを押し退けてメンバー達の前にしゃがんだ。

「私では君達を有効に使えないって事です」

 サクはアースの様に本能で動くタイプでは無い。
 隊長代理をしていた時も、サクが考えている間にメンバー達が勝手に動き、その後始末が仕事だった。


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